ゲーミングモニターを選ぶとき、ゲームのジャンルやPC環境(スペック)、予算に応じて最適な答えを導き出さないといけません。
でも「スペックや機能ってどれを重視すればわからない」「予算だってどうやって決めたらいいかわからない」ってくらいわかりにくいものだったりもします。
そこで、毎年のようにゲーミングモニターを買い替えている筆者が、選び方のポイントやおすすめのゲーミングモニター10を紹介します。この記事を読めば、きっとどのモニターを購入すればいいか理解してもらえるでしょう。
ゲーミングモニターの選び方
ゲーミングモニターの選び方ですが、大きくは以下のスペックをチェックして、自分に合ったモニターを選んでもらうことになります。
- サイズ(24型、27型、32型など)
- 解像度(フルHD、WQHD、4Kなど)
- リフレッシュレート(144Hz、240Hzなど)
- 応答速度(1ms、0.5msなど)
- パネル(VA、TN、OLEDなど)
細かくは後程解説しますが、これらの項目から予算内で最もスペックが良い物を購入するのがおすすめです。ただしリフレッシュレートや解像度が高くても、利用しているパソコンの性能が低ければモニターを十分に生かしきれないこともあります。PC環境を含めてバランスよく考えることも重要です。
ちなみに筆者の場合、32インチのOLEDモニターと、24インチのゲーミングモニターを遊ぶタイトルで使い分けています。没入感を得たいオープンワールド系を遊ぶときは32インチ、FPSなどは24インチといった感じです。この環境になるまでは、いくつか段階がありましたので、焦らずに今の環境に合わせてステップアップしていって下さい。
サイズ
サイズは大きく24インチ、27インチ、30インチ以上などがあります。プレイしたいタイトルやジャンルで選び方が変わってくるところもありますが、最もバランスが良いのが27インチでFPSからRPGまで幅広く対応できます。
FPSやTPSなどに特化させたい場合は24インチクラスを選ぶプレイヤーが多く、eスポーツシーンでは標準的なサイズになっています。
30インチ以上やウルトラワイドモニターなどは、没入感を重視する場合に向いているのでRPGやシミュレーションゲームなどに最適ですが広いデスクが必要になってきます。
画面比率も標準的な縦横比が16:9のものや、横に長い縦横比21:9のウルトラワイドモニター、湾曲モニターなどがあり好身に合わせて選べます。
解像度
解像度はフルHD(1920×1080)が最も標準的で、 24インチ前後のモニターに最適な解像度になっています。低負荷で高リフレッシュレートを維持しやすく、価格的にも安価なタイプが多く販売されているので初心者やライトユーザーに好まれています。
WQHD(2560×1440)は、 27インチクラスとバランス相性が良く、緻密な映像と効率性の両立が可能になってくるのが特徴です。RPGなどのゲームにも最適ですが、オフィスワークなどで作業スペースを広くとりたい人にも向いています。
4K(3840×2160)は 27インチクラス以上で美麗な映像を楽しめるのが特徴で、RPG、オープンワールド、シミュレーションゲーム向けですが高性能なゲーミングPCが必要になってくるので注意が必要です。
リフレッシュレート
1秒間に画面が更新される回数(Hz)で、高いほど滑らかな映像が得られます。ゲーミングモニターを買うなら144Hz以上は最低でも満たしておくことを推奨します。特に動きの早いFPSや格闘ゲームなどでは必須になってきます。上位プレイヤーなら240Hzは必須という人もいます。逆にRPGやシミュレーションゲームしかやらないという人は、60~120Hzで十分な場合もあります。ただPS5などの高性能ゲーム機を使う場合でも120Hz以上が必要になるので、144Hzは満たしておくのが良いでしょう。
応答速度
画面の色が切り替わる速度(ms)のことを言います。低いほど残像感が少なく、ブレのないクリアな映像になります。FPSやアクションゲームでは1ms(GTG)以下が理想、RPGやオープンワールドでは3~5msでも問題ない場合が多いです。またOLEDパネルを採用した製品では、0.5msや0.03msなどの圧倒的応答速度を実現したモデルもあります。基本的には1ms以下であれば問題ありません。
パネル
パネルの種類も多数あり、最も一般的なのがIPSパネルを採用したモデルです。色の再現性が高く、視野角も広いのでどんなジャンルでも扱いやすいのが特徴です、また色域が広いタイプならクリエイティブ作業にも使えます。
VAパネル:はコントラストが高く、黒が鮮明に出る特徴があります。湾曲モニターに多く、没入感を求める場合に向いていると言えます。TNパネルは、応答速度が速いのが特徴でFPSやeスポーツには欠かせないほど存在感があります。ただし色再現性や視野角は劣るので注意が必要です。
OLED/QD-OLEDは、最高の色再現性と応答速度(0.03ms)を実現しているのでプレミアムなゲーム体験が可能です。その代わり高価格で購入に踏み切るにはそれなりに覚悟が求められます。
その他、機能
その他に気にしておかないといけないのはインターフェースやピボット機能、ブルーライトカット、フリッカー軽減などです。目の負担を和らげてくれる機能があれば長時間のプレイでも疲れを軽減してくれます。接続端子はHDMI 2.1がPS5など最新ゲーム機に必須になってきますので、数と合わせて仕様も確認しましょう。
ゲームジャンル別おすすめスペック
FPS/TPS | 24インチ、フルHD、240Hz以上、1ms以下、OLEDやTNパネル |
RPG/MMO | 27インチ以上、WQHD/4K、IPSパネル、144Hz以上 |
シミュレーション | 湾曲モニターを複数、OLEDやVAパネル、144Hz以上 |
バランス | 27インチ、WQHD、IPSパネル、144Hz以上 |
ざっくりとジャンルに分けるとこのような感じになってきます。最もバランスが良いのは、27インチ、WQHD、IPSパネル、144Hz以上で、この条件を満たすだけなら、それほど高い製品を購入しなくても大丈夫です。実際によほどのガチゲーマーでもない限りり高性能ゲーミングモニターを選ぶ理由はありませんし、ほとんどの人にとって扱いやすいスペックだと思います。
動きの早いFPSでは24インチ フルHDが主流で、超がつくほどのハイスペックゲーミングパソコンを用意しなくてもフレームレートをキープしやすくなっています。RPGやシミュレーション、オープンワールド系のタイトルでは没入感が重要になってくるので、速さよりも画質面が優先されることが多いです。没入感を高めたいなら複数のモニターを用意するのもおすすめです。
よくある失敗例
- サイズが大きすぎ・小さすぎた
- オーバースペック(低スペック)すぎた
- インターフェースの数(仕様)が足りなかった
- スピーカーが非搭載だった
- 良く知らないブランドのものを買ってしまった
- アフターサービスが満足に受けられなかった
- 怪しいサイト、フリマで買ってしまった
よくある失敗例としては、サイズやスペックが環境にあわない製品を購入してしまったということです。リフレッシュレートを過剰に重視してしまったために、今使っているパソコンスペックでは性能を生かしきれずにオーバースペックになってしまうことも・・・
また怪しいサイトやフリマで購入したために、良からぬ製品が届く(届くならまだマシレベル)なんてこともあるので、ちゃんと家電量販店や大手通販ショップを利用するようにしましょう。筆者も安いメーカーのモニターを購入し初期不良にあたってしまい、メーカーに連絡したが音沙汰なしということがありました。幸いAmazonで購入していたので返品ルールに則って事なきを得ましたが、あまりに安すぎる製品には注意するのはもちろん、メーカーやショップのアフターサポートや保証も目を通しておくべきです。
おすすめゲーミングモニター
この記事で紹介するゲーミングモニターは、さまざまな予算やジャンルに対応したおすすめモデルです。価格は記事執筆時点の参考値で変動する可能性がありますので必ず購入ページをご確認下さい。
エントリー(初心者・ライトユーザー)向け
- 予算 2万円くらいまで、フルHD、120~165Hzのエントリーコスパ重視モデル
- 入力端子の少なさには注意が必要
BenQ MOBIUZ EX240
eスポーツ大会での実績もあるBenQのエントリーモデル。価格は約2.5万円、23.8インチ、フルHD、IPSパネル、165Hz、1ms、FreeSync Premiumと十分なスペックをもちます。IPSパネルの広い視野角と、sRGB 100%の色再現性でマルチに使える点も魅力。予算重視のゲーマー向けといった感じで初心者やライトゲーマーに最適です。switchなどのカジュアルゲームにもおすすめです。
LG UltraGear 24GS60F-B
LGのエントリーモデルで、23.8インチ、フルHD(1920×1080) 、アンチグレア、180Hz、IPS 1ms(GTG)、FreeSyncテクノロジー、G-Sync Compatible、HDR10対応など申し分ないスペックで価格はセール時で約2万円ほどとリーズナブル。AMD FreeSync、NVIDIA G-SYNC Compatibleに対応するので、ティアリングやスタッタリングを軽減。画面の遅延を抑える「DASモード」や暗いでの視認性を高める「ブラックスタビライザー」などのゲーミング機能も搭載。メーカー3年保証や無輝点保証もあって信頼性の面でも問題ありません。
Acer Nitro QG241YEbmiix
約1.7万円のゲーミングモニターで、スペックは23.8インチ、フルHD、IPS、100Hz、1ms、FreeSyncなど抑えるところは抑えています。ブラックブースト機能で暗部の視認性が向上し、有利に立ち回れるなどFPSやカジュアルゲーマーに最適となっています。とにかく価格を抑えたい人に向いたモデルです。かなり割り切ったモニターでもあるので、数千円足しても個人的にはBenQかLGのほうが無難な気もします。
PHILIPS 24M2N3200L/11
約1.7万円でありながら、23.8インチ、フルHD、IPS、180Hz、0.5msとほんのり高性能なスペックになっているのが特徴。Adaptive Syncテクノロジーにより、ゴーストやスタッタリング、ティアリングの少ないゲーム体験を提供。端子はDisplayPort1.4とHDMI 2.0の2個なので仕様、数ともに不足しないか注意だが、Amazonセールで1.5万円くらいになることもあってコスパは抜群!しかも5年保証つき。
MSI MAG 244F
お値段なんと約2.5万円ながら、23.8インチ、フルHD、RAPID IPS、200Hz、0.5msを満たすモニターです。競技性の高いFPS向けで、eスポーツ志向のゲーマーにも最適です。sRGBカバー率は99%で色再現にも優れ、画像や動画編集にも使えるのもポイント!
ミドル(中級者)向け
- 予算3~5万円あたり、 WQHD、144~240Hzのミドルレンジ
- 最も激戦となるライン、必要なスペックをしっかり確認!
LG UltraGear 27GS75Q-B
27.0インチ、WQHD(2560×1440) 、アンチグレア、200Hz、1ms(GTG)、FreeSyncテクノロジー、G-Sync Compatible、HDR10、HDMI、DisplayPort、メーカー3年保証とミドルクラスのゲーミングモニターのお手本のようなスペックで価格は4万円と調度良いところを攻めてきます。セール時には3.5万円ほどになることもあり、クラス帯の中でもトップクラスのコスパを誇ります。
ASUS TUF Gaming VG27AQ3A
数多のゲーミングデバイスを世に送り出しているASUSのゲーミングモニターで、27インチ、WQHD、Fast IPS、180Hz、1ms、FreeSync/G-SYNC Compatibleと必要スペックを満たします。解像度と映像の表現力のバランスが良く、FPSやRPGなど幅広く対応できるのがポイントです。価格は通常3.5万円くらいですがセールで3万円を切ることもあります。
IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JLAQ
バックライトにMini LEDを採用したゲーミングモニターで、価格は約6万円です。スペックは27インチ、WQHD、AHVA(IPS系)、200Hz、0.9ms、HDR1000になります。Adobe RGBカバー率100%、DCI-P3カバー率98%と色再現も高く、DisplayHDR 1000認証を取得しているので、HDR対応のゲームや動画の映像をより白飛びや黒つぶれの少ないダイナミックな高画質で楽しめます。オープンワールドやRPGなど映像美重視のゲームと相性が抜群で、編集作業なども正確にこなせます。
ゲーマー向け
- 予算7万円以上、WQHD~4K、OLED、240Hz以上のハイエンドモデル
- 上記スペックを満たさなくても特定ジャンルに強い製品も存在する
- 10万円を超えるモデルは圧倒的ゲーミング体験が可能
LG UltraGear 27GX790A-B
VGP 2025 Summer パーソナルビジュアル大賞/金賞という実績をひっさげたゲーミングモニターで、脅威の480Hzリフレッシュレートに対応しています。価格は15万円前後で、セール時でもそれほど下がりませんが圧倒的なゲーミング体験が楽しめるのが特徴。
スペックは27インチ、WQHD(2560×1440)、OLED、480Hz(Dual Mode)、0.03ms、G-SYNC/FreeSync Premiumで、OLEDならではの0.03ms応答速度と鮮明な映像を実現しています。VALORANTやApex Legendsなど競技性の高いタイトルに使えるのはもちろん、RPG系にもしっかり対応できるのが強み。
LG UltraGear 32GS95UE-B
先に紹介したモデルの兄貴分的な32インチモニターですが、実は価格差はそれほど大きくもありません。どうせなら大きいほうが良いじゃないってだけじゃなく、4K/240HzとフルHD/480Hzを切り替え可能なのが凄まじい。OLEDの圧倒的ともいえる表現力で、RPGやオープンワールドゲームで究極の没入感が得られます。デスクの許容量を超えないのであればおすすめの1台ですね。
BenQ ZOWIE XL2546X
数々のゲーミングシーンを支えてきた伝統的なゲーミングモニターで、24.5インチ、フルHD、TNパネル、240Hz、0.5ms、DyAc+などに対応します。一見スペックは普通に見えますが、プロゲーマーも買うならコレというくらい人気というか定番のモデルでもあります。理由はeスポーツ大会と環境を合わせるみたいなところもあると思いますが、DyAc+(Dynamic Accuracy)技術でモーションブラーによって圧倒的に滑らかな視認性を提供してくれるなど、ちゃんとその辺りがしっかりしてるのも大事な要素。価格は約9万円と安くはありませんがFPSゲーマーならいつかたどり着くモニターなので、早めに抑えておくのも良いのかもしれません。
Dell Alienware AW2725D
OLED(有機EL)をもう少し手ごろに楽しみたいならDellのモニターがおすすめ!約7万円で 27インチ、WQHD、QD-OLED、280Hz、0.03ms、G-SYNCなど速さと 鮮やかな色彩が手に入ります。FPSなどのゲームにも向いていますが、映画鑑賞とかも楽しんでもらいたいモニターですね。ハイエンド志向だけど予算的に10万円以上も出せないって人はコレ!ただし人気で納期待ちも結構あるので注文時は注意。
LG UltraGear 45GX950A-B
とにかくデカイモニターが欲しい人はコレ!
ゲーミング市場の盛り上がりをきっかけに、多くのメーカーがこぞってゲーミングモニターを投入してきています。そのおかげで多くの製品から選べるようになりましたが、スペックや価格帯も色々あって選びにくくなった(悩んでしまう)というのも事実です。
最近ではビジネスなどで使う一般モニターと値段的にも変わらない製品が出てきていますし、PCスペックなども考慮しつつスペック不足やオーバースペックにならないモデルを選んで下さい。この記事で得た知識を元に理想のゲーミングモニターにたどり着いてもらえることを願っています。
当ブログは予算や目的、パーツなどからおすすめのパソコンが選べるような作りになっております。ぜひトップページからお気に入りのパソコンを探してみてくださいね。