「Core Ultra 7 256V/258V」と「Core Ultra 7 155H」の性能を比較します。
ノートパソコンの購入者の中で選択されることが多いでしょうし、新旧世代でどれくらい性能差があるのかをチェックしていきます。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきましょう。
目次
Core Ultra 7 256V/258V vs Core Ultra 7 155H
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
Core Ultra 7 256V/258VとCore Ultra 7 155Hの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core Ultra 7 256V/258V |
19639 | P:3.7GHz(4.8GHz) E:2.2GHz(3.7GHz) |
8コア8スレッド (P:4コア/E:4コア) |
17W |
Core Ultra 5 226V | 18777 | P:2.1GHz(4.5GHz) E:2.1GHz(3.5GHz) |
8コア8スレッド (P:4コア/E:4コア) |
17W |
Core Ultra 7 155H | 25014 | P:3.8GHz(4.9GHz) E:0.8GHz(3.8GHz) |
16コア22スレッド (P:6コア/E:10コア) |
28W |
Core Ultra 5 135H | 22805 | P:1.7GHz(4.6GHz) E:1.2GHz(3.6GHz) |
14コア18スレッド (P:4コア/E:10コア) |
28W |
Core i7-14700HX | 37546 | P:2.1GHz(5.5GHz) E:1.5GHz(3.9GHz) |
20コア28スレッド (P:8コア/E:12コア) |
55W |
Core i7-13700H | 29810 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core Ultra 7 256V/258Vのスコアは約20000、Core Ultra 7 155Hは約25000です。なんと旧世代の方が約25%高いスコアを出しているということになります。
その変わり最新のCore Ultra プロセッサー シリーズ2では、消費電力が引き下げられています。パフォーマンス重視の旧世代、駆動時間重視の最新世代といったような印象。性格が全く異なるCPUということになります。
比較に使ったパソコン
名前 | MousePro G4 | GALLERIA DL7C-IG-C4 |
画像 | ![]() |
![]() |
CPU | Core Ultra 7 258V | Core Ultra 7 155H |
GPU | Intel Arc | Intel Arc |
メモリ | 32GB | 32GB |
SSD | 500GB SSD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
Core Ultra 7 256V/258Vのちがいはメモリ容量で、16GBが256V、32GBが258Vとなります。今回のテストではCore Ultra 7 258V搭載モデルを使用するため、以降はCore Ultra 7 258Vのみの記載とします。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core Ultra 7 258V
Core Ultra 7 155H
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core Ultra 7 258V |
761.4 | 4495.4 |
Core Ultra 7 155H | 722.5 | 7138.8 |
Core i7-13700H | 789.3 | 7920.8 |
Core i7-13620H |
776.3 | 7304.5 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core Ultra 7 258VとCore Ultra 7 155Hを比較すると、シングルでCore Ultra 7 258V約5%、マルチでCore Ultra 7 155Hが約59%もの差です。
シングル性能にも差が見られますが、この程度であれば目をつむれそうな気がします。逆にマルチ性能では大きな差が生まれているので無視することはできません。クリエイターにとってパフォーマンスは重視ですし、動画編集などを行うユーザーならマルチ性能は無視できません。
さらに言うならCore i7-13700Hの方が安定して高い数字を叩き出せているという点にも注目です。消費電力よりもパワーという人なら旧世代を選ぶほうが無難なのかもしれません。
CINEBENCH
Core Ultra 7 258V
Core Ultra 7 155H
CPU | シングル | マルチ |
Core Ultra 7 258V | 734 | 2991 |
Core Ultra 7 155H | 689 | 4771 |
Core i7-13700H | 739 | 5728 |
Core i7-13620H |
695 | 5930 |
Core i7-12700H | 677 | 5347 |
このテストでも傾向は変わらず、シングルでCore Ultra 7 258Vが約7%、マルチでCore Ultra 7 155Hが約60%高くなります。
そして安定のCore i7-13700H・・・性能を重視したいクリエイターにとっては第13世代Core i7-13700Hが魅力的に見えるはずです。
RAW現像
CPU | 50枚 |
Core Ultra 7 258V | 1分22秒 |
Core Ultra 7 155H | 1分25秒 |
Core i7-13700H | 1分15秒 |
Core i7-13620H |
1分12秒 |
Core i7-12700H | 1分15秒 |
Core i7-12650H | 1分20秒 |
RAW現像処理時間は、どちらも十分な速度で差はほとんどありませんでした。Core i7-13700Hと比較しても遜色ない処理速度が実現できているので、強いこだわりがない限りは最新CPUで良いかと思います。
動画編集
構成 | 処理時間 |
Core Ultra 7 258V×Intel Arc 140V | – |
Core Ultra 7 155H×Intel Arc | 5分18秒 |
Core i7-13620H×RTX3050 | 3分09秒 |
Core i7-12650H×MX550 | 4分15秒 |
これまで4K動画の書き出しテストを行ってきましたが、マルチ性能が低くなっていることから難しいと判断しテストを行いませんでした。
Core Ultra 7 155Hと同等レベルか少し速い程度でしょうか・・・マルチ性能は下がっていますが、CPU内蔵グラフィックの性能は上がっているので打ち消す感じだと思っています。とは言え、フルHDの簡単な編集までに留めておく方が無難でしょう。
Core Ultra 7 258V vs Core Ultra 7 155H まとめ
・全体的にCore i7-13700Hが安定した結果に!
・シングル性能はCore Ultra 7 258Vがやや有利
・マルチ性能はCore Ultra 7 155Hがかなり有利
パソコンの世界では最新モデルが有利なはずなのですが、ここに来てインテル迷ってるのかあまり感動を得られなかったというのが正直なところです。バッテリー駆動時間が長くなっているモデルが多いものの、専用グラフィック非搭載モデルも多くニーズがちがいところにあるようです。なんとなくMacbookのような世界線を目指しているのかもしれませんね。
最新でも旧世代でも問題ありませんが、性能を重視するならさらに旧世代のCore i7-13700Hを選ぶのもありですね。シングル、マルチともに高いですし、型落ちになってコスパ的にも優秀になってるでしょう。>Core i7-13700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
ドスパラ GALLERIA DL7C-IG-C4
今回のテストで使用したモデルです。14インチ(2880×1800/120Hz/sRGBカバー率95%)の高精細かつ高効率なモニターを搭載した、クリエイター向けのノートパソコンです!CPUにはCore Ultra 7 155Hを搭載しAI処理にも強さを発揮します。
ドスパラ GALLERIA XL7C-R45-6
CPU | Core Ultra 7 155H |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX4050 |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD |
16型WQXGA(2560×1600)240Hzリフレッシュレート対応のゲーミングノートPCです。重量は約2.1kgと他のモデルよりは重たいですが、16型であることを考えると納得の数字です。GeForce RTX4050を搭載しているので、ゲームもそこそこ快適にプレイできます。実況配信や動画編集などを楽しみたい人にもおすすめ!
マウスコンピューター MousePro G4
今回のベンチマークテストで利用したモデルです。14型モニターを搭載したモデルで、重さは1kgを切る超軽量モバイルノートです。Core Ultra 258Vの消費電力の高さと性能のバランスの良さを生かしたモデルです。LTE通信もカスタマイズで追加可能で、ビジネスシーンなどで強さを発揮するでしょう。標準で3年保証がつくのも魅力です。
Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition
14.0型2.8K(2880×1800)有機ELディスプレイ搭載のビジネス向けノートPCになります。他に紹介したモデルよりも、モニター解像度に優れ、作業性が良いのが特徴。重量も約986gと軽量で持ち歩きにも便利です。
マウスコンピューター DAIV Z6
16型WQXGA(2560×1600)モニターを採用しながらも、重量を約1.6kgに抑えた意欲的なモデルです。パフォーマンス面の心配は全くなく、モバイル性をフルに生かした活動が行えます。バッテリー駆動時間は約11.5時間、ACアダプターもコンパクト、PD対応など利便性も兼ねそろえています。
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