Lenovoのゲーミングノートパソコン、Legion Y540(17)をレビューします。(機材貸出元:レノボ)
17.3型フルHDの大型で鮮やかなディスプレイは、ゲームやクリエイト作業にも最適!CPUは第9世代インテルプロセッサー、グラボも強力なので幅広い用途で快適性を得ることができます。
実際にベンチテストや、RAW現像、動画編集にも使ってみましたがストレスはほぼ皆無。ここ最近テストで使ったノートパソコンの中でも完成度が高い製品だと感じました。
それでは、Legion Y540(17)のレビューをどうぞ。
レノボのレギオンY540(17)の性能
Lenovo:https://www.lenovo.com
Lenovoは個人・法人向けにパソコンを販売しています。ビジネスマンの方だとThinkPadと聞けばピンとくる人もいるかもしれませんね。
今回はそんな中でもゲーミングモデルの「LEGION」に注目していくわけですが、その理由としてはクリエイト作業にも最適な高パフォーマンスさです。ゲーミングモデルでありながらガチャガチャと騒がしい印象を与えないシンプルなデザインも好感がもてます。
「ゲーミングモデルをクリエイト作業に使うの?」と意外に思うかもしれませんが、もともとゲーミングモデルは処理能力が高く、色々な用途に使える可能性を秘めたモデルなのです。特にノートパソコン1台ですべてをまかないたいといった人には、最適では?と思えるほどです。
LEGION Y540(17)のラインナップ
LEGION Y540(17)には、いくつかのモデルがあります。大きなちがいは以下の表で確認できます。
製品番号 | パーツ構成 | |||
81T3001QJE | Core i7 -9750H / 16GBメモリ / GTX1650 / 1TB HDD+256GB SSD / 170W | |||
81Q4002SJE | Core i7 -9750H / 16GBメモリ / GTX1660Ti / 1TB SSD / 230W | |||
公式HP | 詳細を見る |
今回お借りしたモデルは、グラフィックにGTX1660Ti、大容量の1TB SSDを採用したハイパフォーマンスモデルです。
記事執筆時点(2019/10)では、クーポンの利用で税送料込みで¥172,339になっています。グラボにGTX1650を採用したスタンダードモデルは、税送料込み¥150,201です。
この他にも好みに合わせてカスタマイズ可能なモデルが用意されていますので、場合によってはそちらを選択したほうが良いケースもあるかもしれません。確認した際にはメモリ容量を最大32GBまで増やしたり、RTX2060を選択可能でした。
Lenovoの特徴の1つとしてお得なクーポンがあげられます。割引率は変更される可能性がありますが、数万円単位の割引が入ることがほとんどなので、ぜひチェックしてください。
LEGION Y540のスペック表
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-9750H |
グラフィックス | GeForce GTX 1660Ti(6GB) |
メモリ | 16GB |
HDD | - |
チップセット | インテルHM370 チップセット |
電源 | 230W ACアダプター |
駆動時間 | 約7.0時間 |
液晶 | 17.3型FHD液晶 (300nit)ノングレア、144Hz |
サイズ | 約 399.8x290x25mm(最薄部) |
重量 | 約 2.84kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-9750Hの性能
搭載されているCPUは第8世代の「Core i7-9750H」です。6コア12スレッドのCPUで、通常は2.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.5GHzまで周波数があがります。
1世代前のCore i7-8750Hと比較すると5-10%程度の性能向上といったところです。Core i7-7700HQと比較すると50%程度も性能がアップしているので、数年前のパソコンを使っている人なら進化に驚くはずです。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9750H | 13740 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i5-9300H | 9673 | 2.4GHz(4.1GHz) | 4コア8スレッド | 45W |
Core i7-7700HQ | 8798 | 2.8GHz(3.8GHz) | 4コア8スレッド | 45W |
一般的なデスクトップパソコンを凌駕する性能なので、負荷のかかる処理もサクサク快適に行えますよ!
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i7-9750H | 491.9 | 3565.9 |
Core i7-8750H | 446.0 | 3249.2 |
旧世代と比較すると1割程度のスコアアップが見られます。目をみはるほどの進化とは言えないものの、堅実な進化を遂げています。少しでも快適性を得たいのなら選択する余地は大いにあるでしょう。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは1138となりました。
CPU | スコア |
Core i7-9750H |
1138 |
Core i7-8750H | 1026 |
Core i7-7700HQ | 723 |
Core i7-8700K | 1402 |
このテストでも順当な結果を見せてくれました。Legion Y540(17)のCPU性能に関しては安心して使えるレベルといって良いかと思います。性能の核にあたる部分なので、これは大きいですね!
ストレージ性能
メインストレージは1TBの大容量SSDが搭載されています。しかもPCLe NVMe M.2なので爆速です。
Cドライブ(SSD)のスコア
転送速度が3400MB/sを超えるので、このクラスとしても最高クラスといえるかと思います。
メディアからパソコンへのデータ取り込みや、書き出しといった作業も快適。パソコンがキビキビ動作してくれるのを見るのは気持ちがよいです。
GeForce GTX1660Tiのグラフィック性能・ゲームスコア
LEGION Y540(17)に搭載されているグラフィックは「GeForce GTX1660Ti」です。ミドルクラスのグラフィックボードなので、フルHDクラスのデータなら問題なく扱うことが可能。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は100.24fpsでした。ほとんどのゲームタイトルで60fpsには到達するので、144Hzの液晶を活かし切ることができます。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
軽量品質 | 3840×2160 | やや重い(2869) |
標準品質 | 1920×1080 | 快適(7746) |
重量級の最新タイトルでさえ、フルHD画質なら快適にプレイできます。このスコアなら、4K解像度もちょっと調整すれば扱えそうですね。
GTX1660Tiを搭載している当機を、ゲーム目的で購入するのもありだと思います!
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「5分31秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。
僕が過去にテストした結果では、Core i7-8700でも6分18秒という結果がありました。ちょっと出来すぎな気がするので過度な期待は禁物ですが、少なくとも今回のテスト結果ではデスクトップCPUに勝るケースも見られました。
これは満足できる結果と言って差し支えないですし、RAW現像に充分なパフォーマンスが発揮できているという判断ができます。ここまでストレスを感じるシーンは一切ないですね。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約4分45秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
レンダリングに関してもスムーズで、フルHD画質ならリアルタイムな編集でも待たされたりといったシーンは見られません。どの作業でも快適そのものです。
試しに4K動画のカラー調整も試してみましたが、すんなりとできてしまいました。スペック的にはゴリゴリの4K動画編集に使うのは不向きだと思いますが、簡単な4K動画編集なら可能だと思いました。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが39.3」「エンコード時間が1分04秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」という結果です。
デスクトップCPUと比較しても遜色ない処理能力だと感じます。
パソコンはうるさい?静音性は?
Legion Y540(17)は独自の冷却システムを採用しているので、よく冷えているという印象を持ちました。その結果として、どのベンチテストも良好な結果が出ています。
よく冷えているということは、ファンがそれなりに回るので音も結構してしまいます。しかし負荷がかかる作業でファンが回るのは、どのパソコンでもそうです。特別Legion Y540(17)だけがうるさいというようなことはありません。
静かなカフェや図書館でがっつり作業に使うのは、気が引けるレベルではあります。もともと17型でモバイル向きでもないので、僕は気になりません。
要注意ポイント!レノボは出荷が遅い
レノボのパソコン購入を検討しているなら納期にだけは気をつけてください。カスタマイズなしだと「1-2営業日に出荷」とありますが、カスタマイズをした場合だと「最短3-4週間で出荷」になります。間違えないでほしいのが、週レベルで出荷のタイミングが変わるということです。
一般的なBTOパソコンメーカーだと5日程度で出荷と比較すると気になるレベルで、一刻も早くパソコンがほしいという緊急性が高い案件だとモヤモヤするかもしれません。
過去にLenovoのパソコンを購入したことがありますが、その時は注文から到着まで19日かかりました。
LEGION Y540(17)を開封!
それでは届いたパソコンを開封していきたいと思います。筐体は17型ともあってさすがに迫力があります。重量は3kg近いこともあり、片手でつまむように持ち上げるとかは無理です。
天板には加工がほどこされており、波を感じさせるような遊び心あるデザイン。ゴツゴツとしたデカイだけのパソコンとは一線を画するスタイリッシュな外観になっています。
高性能なおかげでACアダプターも巨大です。重量は230WのACアダプターが800g、電源コードが1kgあります。本体と合わせると4kg近くになりますので、モバイルにはかなりの覚悟が必要でしょう。できるなら僕は持ち運びたくありません(笑)
LEGION Y540(17)の外観写真
Legion Y540(17)はベゼルレスデザインを採用。フルHDノングレアタイプで、発色もきれいですし、映り込みがないので目の負担を気にする人でも選びやすくなっています。
IPSパネルなので視野角も広く、見た目にも鮮やかで不満は感じません。リフレッシュレートが144Hzなので、速い動きでもブレの少ない映像が楽しめます。ゲーム、イラスト、写真編集、動画編集などで、一般用と向けとしては十分な性能だと感じます。
ディスプレイ下部には内蔵カメラが装備。小さなスライドスイッチがあり、カメラを隠すことも可能になっています。電源はシンプルな丸ボタン。
LEGION Y540(17)のキーボード配列
バックライト対応のキーボードはフルサイズになっており、スムースなタイピングが可能になっています。全体的にマットな仕様で、汚れが気になりにくいのも好印象。サラサラとして手触りが心地よいです。
キーボード配列はUS配列の英語仕様。テンキーがやや高い位置になっており、Enterが半分くらいのサイズ、PrtScもスペース右横にあり、無変換はありません。ちょっと慣れが必要になるかと思いますが、誤タイプはさほど発生しないのでストレスは感じません。
▼背面には左右2箇所にファンが搭載
高性能なノートパソコンには「熱」が大敵になります。Legion Y540(17)ではCPUとグラフィックを別々に冷却するデュアルチャンネルサーマルシステムを採用。2つのファンと、4つの通気口により効率的な冷却と、ノイズを削減することに成功。
熱のせいでガクンと性能が落ちてしまうような事態はおこりませんでした。
インターフェース
1.USB 3.0
2.USB 3.0
3.マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
4.セキュリティ キーホール
5.USB3.0 Type-C
6.Mini-DP
7.USB 3.0
8.HDMI
9.イーサネット・コネクター(RJ-45)
10.電源コネクタ
インターフェースも必要十分。外部ディスプレイにつないで使ったり、ゲーミングデバイスを接続して使うことができます。
LEGION Y540(17)はこんな人におすすめ
- 完成度の高いノートパソコンが欲しい人
- 写真編集やRAW現像向けのパソコンが欲しい人
- デザイン性に優れたノートPCが良い人
- 冷却性に優れたPCが欲しい人
- ノートPC1台ですべてを完結させたい人
15型のLegion Y540(15)もおすすめ
17型ディスプレイはちょっと大きいという人には、15型モデルがおすすめ!本体重量が2.3kgになるので、持ち運びが少し楽になるかもしれません。(ACアダプターは大きいですが・・・)
価格も17型と対して変わらないので、液晶のサイズで好みに合わせて選んでしまっても良いかと思います。アダプターサイズを考えると、どちらもモバイル性は捨てたほうが良いというのもありますし個人的には17型がおすすめですね。
Lenovo LEGION Y540(17)シリーズの感想まとめ
LEGION Y540(17)をテストしてきましたが、いかがでしたか?
ミドルクラスのノートパソコンとしては、そこそこ安く、トータルの完成度が高い製品。ゲームでも、写真編集でも、動画でもストレスを感じることはありませんでした。
カスタマイズでRTX2060を+¥5500で選択することも可能で、ちょっと驚きました。Core i5-9300H×RTX2060でも13万円台です。よほど専門性の高いことをしない限り、Core i5でも処理能力的には問題ありませんし、この構成は珍しいので欲しくなっちゃいましたね・・・
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