Intel 第13世代CPUが発売されたので従来CPUと性能差をチェックします。
対象は「Core i7-13700(K)」と「Core i9-13900(K)」を比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいがあるのかを見ていきます。
実データを元にしていますので参考にして下さい。
目次
Core i7-13700(K) vs Core i9-13900(K)
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
※PASSMARKが公開しているデータ
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-13900K | 59674 | P:3.0GHz(5.8GHz) E:2.2GHz(4.3GHz) |
24コア32スレッド (P:8コア/E:16コア) |
125W |
Core i9-13900 | 48407 | P:2.0GHz(5.6GHz) E:1.5GHz(4.2GHz) |
24コア32スレッド (P:8コア/E:16コア) |
65W |
Core i7-13700K | 47156 | P:4.2GHz(5.4GHz) E:2.5GHz(3.4GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
125W |
Core i7-13700 | 39657 | P:2.1GHz(5.2GHz) E:1.5GHz(4.1GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
65W |
Core i9-12900K |
41556 | P:3.2GHz(5.2GHz) E:2.4GHz(3.9GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
125W |
Core i9-12900 | 38502 | P:2.4GHz(5.1GHz) E:1.8GHz(3.6GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
65W |
Core i7-12700K | 34700 | P:3.6GHz(5.0GHz) E:2.7GHz(3.8GHz) |
12コア20スレッド (P:8コア/E:4コア) |
125W |
Core i7-12700 | 32117 | P:2.1GHz(4.9GHz) E:1.6GHz(3.6GHz) |
12コア20スレッド (P:8コア/E:4コア) |
65W |
Core i7-13700を100%とすると、Core i7-13700Kが119%、Core i9-13900が122%、Core i9-13900Kが150%ほどです。
グレードを考えると順当な数字と言えますが、Core i7-13700KとCore i9-13900は同水準という見方もできます。スコアだけのお話なので、実際にベンチマークを行ったり、RAW現像、動画編集も試していきましょう。
比較に使ったパソコン
名前 | G-Tune XP-Z | raytrek 4CZF |
画像 | ||
CPU | Core i7-13700K | Core i9-13900KF |
GPU | RTX4090 | RTX4070 |
メモリ | 64GB | 32GB |
ストレージ | 2TB SSD+4TB HDD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
マウスコンピューターとドスパラのデスクトップパソコンで比較を行います。
ベンチソフトによる性能比較
CPU-Zによるスコア
Core i9-13900KF
Core i7-13700KF
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i9-13900K | 894.8 | 16809.0 |
Core i9-13900 | 895.1 | 13326.3 |
Core i7-13700K | 858.0 | 12329.8 |
Core i7-13700 | 815.7 | 11231.6 |
Core i9-12900K | 799.0 | 11119.7 |
Core i9-12900 | 813.8 | 9885.0 |
Core i7-12700 | 782.5 | 9021.6 |
同じようにCore i7-13700を100%として計算していきます。
・Core i7-13700 S:100% M:100%
・Core i7-13700K S:105% M:110%
・Core i9-13900 S:110% M:119%
・Core i9-13900K S:110% M:150%
シングルはCore i7-13700Kが約5%ほど高く、マルチスコアは約10%ほど高い計算になります。Core i9に関してはシングルが約10%、マルチは約20~50%ほどの差になります。特にCore i9-13900Kのマルチスコアで大きな伸びがあることがわかりました。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
Core i9-13900KF
Core i7-13700KF
CPU | シングル | マルチ |
Core i9-13900K | 860 | 14371 |
Core i9-13900 | 822 | 8799 |
Core i7-13700K | 816 | 11501 |
Core i7-13700 | 777 | 7407 |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
・Core i7-13700 S:100% M:100%
・Core i7-13700K S:105% M:155%
・Core i9-13900 S:106% M:119%
・Core i9-13900K S:111% M:194%
CINEBENCH R20のテスト結果は、K付きモデルのマルチスコアに伸びを感じます、。逆にCore i9-13900無印はスコアこそ高いもののパッとしない印象も受けます。Core i9-13900Kは流石と言う感じで。マルチスコアは約2倍近い性能差になっていますね。
個人的にはコスパ重視ならCore i7-13700、コスパ重視ならCore i7-13700K、性能重視ならCore i9-13900Kを選べばいいんじゃないかと思います。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Core i9-13900K | 2分51秒 |
Core i9-13900 | 3分34秒 |
Core i7-13700K | 2分40秒 |
Core i7-13700 | 3分28秒 |
Core i9-12900K | 2分56秒 |
Core i7-12700 | 3分13秒 |
Core i5-12400 | 4分06秒 |
RAW現像ではK付きモデルが2分台、Core i7/i9無印は3分台とわかりやすい結果になりました。処理時間短縮を目指すならK付きモデルを選ぶと恩恵が受けられます。
最近のCPUは性能向上が著しいので、どれを使っても一定以上の働きはしてくれます。差があると言っても50枚で10~15秒くらいなので、よほど大量のRAW現像を行っていない限りは小さな差とも言えるかもしれません。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
CPU | 処理時間 |
Core i9-13900KF×RTX4070 | 1分42秒 |
Core i9-13900F×RTX4070 | 2分40秒 |
Core i7-13700KF×RTX4090 | 2分02秒 |
Core i7-13700×RTX3060Ti | 2分54秒 |
Core i9-12900KF×RTX3080 | 2分12秒 |
Core i7-12700×RTX3060 |
2分52秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
動画編集では、Core i9-13900K×RTX4070の結果が唯一1分台を達成しています。そしてK付きモデルだと2分台頭くらい、無印だと3分台に近づくことがわかりました。編集作業中の快適性に大きな差はありませんが、1分1秒を争うような現場にいるとか、少しでも書き出し速度を重視するなら答えはおのずと決まってきます。
Core i7-13700(K) vs Core i9-13900(K) まとめ
・処理能力重視ならCore i9-13900Kを選ぶべし!
・マルチ性能で最大約2倍ほどの差がある!
・趣味使いなら第13世代無印でも十分!
・Core i9-13900はやや存在感が薄いか?
第13世代CPUを比較してきましたが、処理能力だけならCore i9-13900Kと言う感じですね。Core i9-13900は高い性能を持っていますが、Core i7-13700Kを選択するという手段もありそうです。シングル性能よりもマルチ性能に大きな差があるので、動画編集などではより差がうまれそうですね!
Ryzenと比較しても安定性やアプリとの親和性の面ではインテルが強いでしょうし、インテル第12~第13世代CPUはかなりおすすめですね。
おすすめパソコン
マウスコンピューター G-Tune XP-Z
今回のベンチテストにも使わせてもらったマウスコンピューターのゲーミングパソコンです。Core i7-13700KF×RTX4090はこれまでやってきたような処理だけでは物足りなく感じるレベル。8Kクラスの次世代環境も視野に入るレベルです。
ドスパラ raytrek 4CZF
CPU | Core i9-13900KF |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce RTX 4070 |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD |
今回のテストでも存在感を見せたCore i9-13900KF搭載モデルです。クリエイター向けモデルとしても上位モデルですし、グラボも最新のGeForce RTX4070を搭載しています。プロレベルの作業にも対応可能ですし、静音性に優れているのもポイント。作業に没頭したいクリエイターにおすすめのモデルです!
ドスパラ raytrek 4CXVi
ドスパラが販売するクリエイターのための「4C」(for Creator)シリーズです。第13世代インテルCPUでクリエイティブを加速し、表現したいことをとことん追求できるモデルに仕上がっています。16GBメモリでは少しもったいない気もするので32GBにカスタマイズするのがおすすめです。
フロンティア GAシリーズ
フロンティアのセールモデルで、この構成でありながら30万円後半は結構安いです。Core i7-13700KF×RTX4080なら処理能力不足を感じることはまずないでしょう。フロンティアのセールは台数限定が多かったのですが、記事執筆時点では受注生産になっていました。お得なPCが確実に手に入るのは嬉しいポイントですよね。
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