「Core i7-1360P」と「Core i7-13700H」の性能を比較します。
ノート向けのCPUでも利用者の多いCore i7ですが、同じCore i7でも性能にどれくらい差があるのかをチェックしていきます。パソコンの性能を決めるといっても過言ではないCPUですので絶対に選択は間違えたくないですよね。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
ここに挙げたCPU意外にも、ここ最近で主流となっているモノには登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
Core i7-1360P vs Core i7-13700H
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
第13世代インテルCPUのポイント
- コードネーム「Raptor Lake」
- コア数が多く処理能力が高め
- クロック周波数が若干UP
Core i7-1360Pは従来のCore i7-1260Pを踏襲した形となっており、コア数などのベース的な部分は同じです。若干クロック数がアップし、PBPも28Wなので省電力の15W(Uシリーズ)と比較するとパフォーマンスは高めです。
一方のCore i7-13700Hはモバイル向けとしては高いパフォーマンスを発揮するモデルです。従来のCore i7-12700Hのマイナーチューンという形はCore i7-1360Pと同様。それだけ前世代の完成度が高かった証拠でもあるでしょう。
両者ともにその恩恵は受けられますので深掘りして差を見ていきましょう。それではもう少し詳しく解説していきますね。
Core i7-1360P/Core i7-13700Hの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-1360P | 19726 | P:2.2GHz(5.0GHz) E:1.6GHz(3.7GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-1260P | 17054 | P:2.1GHz(4.7GHz) E:1.5GHz(3.4GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i5-1240P | 17306 | P:1.7GHz(4.4GHz) E:1.2GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-13700H | 29810 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-1360Pは20000に迫るスコア、Core i7-13700Hはそのさらに上をいく30000に迫るスコアです。ノート向けCPUとしては十分に高いスコアで、デスクトップCPUにも引けを取らない数字です。
Core i7-1360PとCore i7-13700H比較すると約50%の差があります。単純に性能を求めたいのであればCore i7-1300H一択というところでしょうか。
この仮説を元に本当に差がないのかをチェックしていきましょう。
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV Z4 | DAIV S4 |
画像 | ||
CPU | Core i7-1360P | Core i7-13700H |
GPU | Iris Xe | RTX4060 |
メモリ | 16GB | 32GB |
SSD | 500GB SSD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
マウスコンピューターのクリエイター向けモデルの「DAIV Z4」と「DAIV S4」を比較対象とします。同じ14型にはなりますが軽さを追求したモデルと性能を追求したモデルのちがいがあります。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-13700H
Core i7-1360P
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-1360P | 722.1 | 4260.1 |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i7-13700H | 789.3 | 7920.8 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core i7-1165G7 | 613.7 | 2788.8 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-1360PとCore i7-13700Hを比較すると、シングルが約9%、マルチが約86%もの差が出ます。
Core i7-1360Pは一般向けモデルや軽量モデルに採用されるケースが多く、ゲーミングやクリエイト向けPCに多く採用されるCore i7-13700Hとはどうしても差が出てしまいます。第12世代Core i7-12700Hの性能もなかなかですのでコスパ重視なら選んでみるのもありかもしれません。
CINEBENCH
Core i7-13700H
Core i7-1360P
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-1360P | 714 | 3787 |
Core i7-1260P | 615 | 3407 |
Core i7-13700H | 739 | 5728 |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-1360PとCore i7-13700Hを比較すると、シングルが約3%、マルチが約50%の差が出ます。
普段使いで体感できるほどの差はありませんが、写真や動画編集などの領域でははっきりと差になって表れてきます。さすがにここまで差が出るのであればCore i7-13700Hを選びたくなります。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-1360P | 4分04秒 |
Core i7-1260P | 4分27秒 |
Core i7-13700H | 3分45秒 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-1165G7 | 5分17秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
RAW現像のテストでもCore i7-13700Hが速かったです。待てないほどの差ではありませんが、HシリーズとPシリーズには超えられない差を感じますね。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P×Iris Xe | 7分21秒 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe | 7分43秒 |
DAIV S4 | Core i7-13700H×RTX4060 | 3分26秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
Core i7-1360Pにはそもそも専用グラフィック搭載モデルが少ないです。内臓グラフィックだけでこのテストをこなすのは無理がありますし、動画編集にはグラボ搭載モデルを選ぶべきです。
もともとCore i7-1360Pのマルチ性能はそこまで高くありませんので、動画編集においてもCore i7-13700Hが有利という形になります。
Core i7-1360P vs Core i7-13700H まとめ
・Core i7-13700Hを選べばOK!
・シングル性能だけならCore i7-1360Pもあり
・Core i7-12700Hのコスパが良いかも
・処理性能を求めるならCore i7-13700H!
パソコンの世界でも上位モデルのほうが有利なのは間違いないので、迷ったらCore i7-13700H選べば間違いありません。特にクリエイト系の高負荷作業を頻繁に行う人にはおすすめです。価格や軽さ、性能に差がないならCore i7-13700Hを選ばない理由はありません。逆にとてつもなく軽いとか安いとかであればCore i7-1360Pも選択肢に入るかなといった印象。
処理能力を限界まで求めないならCore i7-1360Pでも十分な気はしますし、型落ちのCore i7-12700Hはコスパ優秀になってくるでしょう。>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
マウスコンピューター DAIV Z4
1kgを切る軽量ボディにパワフルな第13世代Core i7-1360Pを採用したクリエイター向けノートパソコンです。普段使いはもちろん、動画視聴などのエンタメやコンテンツ制作にも使えます。Core i7-1260Pを採用したDAIV 4Pもおすすめ!
マウスコンピューター DAIV S4
第13世代Core i7-13700HとGeForce RTX4060を採用した高性能クリエイト向けノートパソコンが登場!14型フルHDモニター色再現にも優れ、キャリブレーション済みで出荷されるためRAW現像をはじめとするクリエイト作業にも最適です。コンパクトで軽く、バッテリー駆動時間も長いためモバイル性能も高く仕上がっているのが特徴です。
ドスパラ GALLERIA UL7C-AA3
CPU | Core i7-12700H |
メモリ | 16GB |
グラボ | Arc A550M/A730M |
ストレージ | 512GB Gen4 SSD |
Core i7-12700Hと専用グラフィックスを搭載しながらも10万円台というドスパラのゲーミングモデルです。もともと倍近くの値段で販売されていたこともあって質感もよく、動画編集やゲームも楽しめるコストパフォーマンスに優れたノートパソコンです。Core i7-12700H搭載モデルとしてはもちろん最安値クラスです!
ドスパラ raytrek R5-RL5
15.6型WQHDモニター搭載のクリエイター向けノートパソコンです。作業性が良いだけでなくsRGBカバー率約99%、リフレッシュレート165Hzに対応しているので、正確で滑らかな映像が得られるのも特徴です。先に紹介したモデルよりも少し高い17万円台~にはなりますが、ストレージ容量にも余裕があります。
Legion Slim 7i
Core i7-13700H×RTX4060はノートパソコンでもテッパンの構成!その安定した処理能力に加えて、作業性抜群の16型モニターを搭載しています。はずれは絶対に引きたくないという人におすすめの人気モデルです。
ASUS Zenbook 14 Flip OLED
CPU | Core i7-1360P |
メモリ | 16GB |
グラボ | Iris Xeグラフィックス |
ストレージ | 1TB SSD |
ASUSなら有機EL(OLED)パネルを搭載したノートパソコンが購入できます。美麗で正確な色再現が可能ですので、RAW現像が楽しくなってしまうモデルです。14型WQXGA+ (2880×1800)で作業性も良く、重量も約1.54kgと軽量です。手軽に写真編集環境を整えたい人にはめちゃくちゃおススメです!
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