ノートパソコン向けの「Core i7-1260P」と「Core i7-1165G7」の性能を比較します。
新旧CPUを比較してパフォーマンスのちがいをチェックします。Core i7-1165G7も強力なCPU内臓型グラフィックのおかげでライトゲーム、動画編集にも使えるほどでしたが、第12世代でどの程度性能を伸ばしているか気になるところです。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
ここに挙げたCPU意外にも、ここ最近で主流となっているモノには登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i7-1260P vs Core i7-1165G7
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
Core i7-1260Pのポイント
- コードネーム「Alder Lake」
- 12コア16スレッドの強力な処理能力
- ハイブリッドアーキテクチャを採用
Core i7-1260Pはモバイルノート向けのCPUの中では上位クラスとなります。これまでのモバイルノートは非力な面もありましたが、年々処理能力が求められるようになり12コアもの高性能を手にするまでになりました。
第11世代との大きなちがいは、ハイブリッドアーキテクチャを採用している点。これは高性能コアと高効率コアの2種類をブレンドしたもので、処理に合わせてパフォーマンスを引き上げたり、省電力に振ったりといったことを行ってくれるものです。
ちなみにCore i7-1165G7は4コア8スレッドですので、Core i7-1260Pがいかに性能を伸ばしているかは想像しやすいでしょう。単純に高性能化しているという点でもそうですが、その処理能力は写真や動画編集などの高負荷作業でも威力を発揮します。多くのクリエイターにとって相棒になりえます。
Core i7-1260Pの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-1260P | 17054 | P:2.1GHz(4.7GHz) E:1.5GHz(3.4GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i5-1240P | 17306 | P:1.7GHz(4.4GHz) E:1.2GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-1165G7 | 10514 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 15W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-1260Pは、スコア17000超えで一般向けCPUとしては十分に高いです。Core i7-1165G7と比較すると約62%もの差がありますが、Core i5-1240Pとの差はほぼありません。
Core i7-1165G7(Tiger Lake)などのTDPは、パソコンメーカー側が調整を行えるので実際に動かしてみないと性能がわからないという面があります。モデルによっては期待値を大きく上回るものや、逆に下回る(けど省電力)みたいな製品もありますので注意してください。
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV 4P | DAIV 4P |
画像 | ||
CPU | Core i7-1165G7 | Core i7-1260P |
GPU | Iris Xe | Iris Xe |
メモリ | 16GB | |
SSD | 512GB NVMe SSD | |
レビュー | >レビューを見る |
マウスコンピューターのDAIV 4Pの新旧モデルで性能を比較します。筐体などのベースとなる部分に変更がないため、純粋に性格の差をチェックできるはず。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-1260P
Core i7-1165G7
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i5-1240P | 687.1 | 4782.7 |
Core i7-1165G7 | 613.7 | 2788.8 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-10510U | 402.8 | 1411.0 |
Core i7-1260PとCore i7-1165G7を比較するとシングル性能で約5%、マルチスコアで約69%性能がアップしています。処理能力だけを求めるなら選択すべきはどちらか明白です。
ただし、Core i7-1165G7も高めのシングルスレッド性能と、Iris Xeグラフィックスのおかげで意外とキビキビ動作します。ちょっとしたRAW現像や動画編集なら問題なく行えるので使い勝手の面で悪いなんてことはありません。
本格的な処理を行うのであればCore i7-12700Hあたりを検討することをおすすめします。
CINEBENCH
Core i7-1260P
Core i7-1165G7
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-1260P | 615 | 3407 |
Core i5-1240P | 632 | 3207 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-10510U | 474 | 1534 |
Core i7-1260PとCore i7-1165G7を比較するとシングル性能で約8%、マルチスコアで約47%差があります。
性能面だけで言うならCore i7-1260Pを選択すべきですが、このクラスのCPUでマルチ処理をどれくらい行うのかが鍵になりそうです。動画編集などを頻繁に行うならパワーが足りませんし、逆に全くしないのであればマルチ性能は気にする必要もありません。
こう考えると、個人的には使い勝手の面でどちらを選んでも良さそうな気がします。性能にあまり差のないCore i5-1240Pもふくめて、デザインや価格、製品の特長や好みに合わせて選択しても良いような・・・
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-1260P | 4分27秒 |
Core i5-1240P | 4分00秒 |
Core i7-1165G7 | 5分17秒 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
Core i7-10510U | 8分45秒 |
Core i7-1260PのほうがCore i7-1165G7に比べて50秒近くも処理が速いです。(Core i5-1240Pはなぜかもっと速い)従来のCore i7-10510Uと比較すると半分程度の時間で処理を終えられるのは大きなメリットです。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe | 7分43秒 |
DAIV 4P | Core i7-1165G7×Iris Xe | 12分11秒 |
raytrek A4-A | Core i7-12700H×Iris Xe | 9分31秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
Core i7-1260P/1165G7の内臓グラフィックスは強力ですが4K動画を扱うのは現実的ではありません。その前提でテストを行ったことを理解して読み進めてもらいたいのですが・・結果的にはCore i7-1260Pの処理の速さが際立つ形になりました。
これまでのベンチテストでもマルチ性能で優秀さを見せていただけに、この結果はうなずけると思います。意外だったのはCore i7-12700Hが思ったほどふるわなかった点ですね。
動画編集(フルHDクラス)の編集作業を行うことを想定しているならCore i7-1260Pがおすすめです。
Core i7-1260P vs Core i7-1165G7 まとめ
・Core i7-1260Pが最大で約60%ほど高性能
・動画編集ならCore i7-1260Pが強い
・動画編集しないならCore i7-1165G7でOK
・処理性能を求めるならCore i7-12700H!
パソコンの世界では新しいもののほうが有利なので、迷ったらCore i7-1260Pを選べば間違いありません。特にマルチ性能に期待ができるので動画編集を頻繁に行う人にはおすすめできます。
ただし処理能力を求めるならCore i7-12700Hなどのより高いパフォーマンスを発揮するCPUがありますし、動画編集を頻繁に行わないのであればCore i7-1165G7でも十分だと感じました。ちなみに記事執筆時点だとCore i7-12700H搭載機が15万円くらいから、Core i7-1165G7搭載モデルは12万円くらいからというような価格帯でした。
>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
マウスコンピューター DAIV 4P
軽さを重視するなら1kg切りのDAIV 4Pがおすすめです。高度な編集作業には向きませんが、重量を意識せずに持ち運べるメリットは大きいです。ちょっとしたRAW現像や動画編集も行えますしバッテリー持ちも良い魅力的なモデルです。
ドスパラ raytrek A4-A
約1.3kgの軽量なボディーに14コア20スレッドのCPUを搭載。アルミニウム製の高品質なシャーシ、モニターはsRGBカバー率99%、おまけでThunderboltまでついて16万円台!Core i7-12700Hが気になるならこのモデルがおすすめ!
ASUS VivoBook 15 OLED K513EA
ASUSなら有機EL(OLED)パネルを搭載したノートパソコンが10万円前後で購入できます。美麗で正確な色再現が可能ですので、RAW現像が楽しくなってしまうモデルです。メモリは8GBですが増設も可能ですし、セールに入れば10万円以下で購入できることもしばしば・・手軽に写真編集環境を整えたい人にはめちゃくちゃおススメです!
マウスコンピューター mouse B4-i7
高性能な第12世代インテルCPUを採用しており、エンタメ、オフィスワークだけでなく軽めの編集作業にも使えます。一般向けモデルですので、先に紹介したDAIV 4Pよりも数万円安く購入できます。重量は約1.38kg、バッテリーは約10時間もつのでモバイル用のサブノートとしてもおすすめです。
Dell Inspiron 13 プラチナ
13.3型WQXGA (2560×1600)モニターを採用し、緻密かつ効率的に作業が行えるのがポイント!重量も約1.25kgに抑えた軽量ノートなのでフットワーク重視の方にもおすすめです。各社値上げを余儀なくされるなかで13万円台なのも嬉しい!
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